インターネットショッピングモール「楽天市場」を運営する楽天は、2012年度末までに社内の公用語を英語にすると発表。移行期間の現段階は日本語と英語が混在しているが、そんな中で、楽天社内では「重要なので、日本語で失礼いたします」という言葉が流行している、そんな嘘か本当かわからない噂が出ているとネットで笑い話になっている。
まだ社内では日本語と英語が混在
楽天の三木谷浩史社長は2010年6月30日、自ら英語で記者会見を行った。その中で、国際的な競争力を高めるためには社員全員が英語を話せる必要がある、として2月から役員会や経営会議が英語になっていることを紹介。英語を公用語にする理由を、海外での販売額が将来的に全体の70%にまで拡大するため、英語でのビジネスが重要になる、などと語った。
現在は社員全員が英語でやり取りをしていて、掲示板に貼られる告知も英語になっているが、まだ社員同士の会話は日本語と英語が混在している状態だという。
そうしたなか「ツイッター」に10年8月23日
「英語化の中、逆に重要なので日本語で失礼しますという言葉が流行ってきた」
というつぶやきが出た。ネットではこれをつぶやいたのが楽天の社員だという噂が立ち個人が運営するニュースサイトやブログで大きく取り上げられ、ちょっとした騒ぎになった。
「ツイッター」には
「確かにw 本当に理解してるのかそりゃ不安になる」
「『重要なので通訳を付けます』だと大爆笑しそう」
「どこからどこまでがネタなのかわからない」
「笑ったw 日本語通じない日本人に『重要なので日本語でお願いします』とか言ってやりたい」
などという感想がつぶやかれた。
「根拠のないうわさ話」と楽天広報
英語の公用語化といえば、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングも進めているが、同社の場合は外国人が参加する会議やそれに使用する書類、外国人社員との会話、外国人に宛てたメールなどについては英語になるが、
「日本人社員同士の会話はこれまで通り日本語で行いますから、他社とは異なります」
と同社広報は話している。
今回「ツイッター」に出たつぶやきについて楽天広報は、楽天の社員がつぶやいたとされていることについて、誰がつぶやいたかわからない根拠のないうわさ話だと切り捨てた。英語の公用語化については全社を挙げてのプロジェクトであり、社員も前向きに真剣に取り組んでいる。楽天は今年、新たに6ヵ国での事業展開を発表し、新規採用する社員のうち3割が外国籍になる。現在は12年度末の完全実施に向けた移行期間であり、慣れない部分も出ているかもしれないが、企業のグローバル化と外国籍社員が増えていく中で、英語の公用語化は避けて通れない段階にきている、と強調した。