暑いと「景気がよくなる」 この経済常識は本当か

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   各地で猛暑日が続いている。「夏は暑いほど景気にプラス」というのが経済の「常識」だが、ここまで暑いとマイナス面も出てくる。まだ残暑も厳しそうだが、ひとまず猛暑の夏の中間決算は?

   アイスキャンディーは年間2億4500万本を売る「ガリガリ君」が2010年7月に前年比65%増という爆発的な売れ行きで、24時間フル生産でも追いつかず、「品薄状態となり、ご迷惑をおかけします」と、ホームページでおわびするほど。「あずきバー」も同3割増で初の年間2億本突破の勢いとか。

北海道、東北でエアコンが売れる

   大手ビールメーカーの7月のビール類の出荷量は前年比2.1%増と2カ月連続で前年を上回った。割安の第3のビールが16.8%増(ビールと発泡酒は同マイナス)と相変わらず好調。一方で、「ザ・プレミアム」とか「エビス」など高級ビールも伸びているのはサラリーマンのプチ贅沢か。また、4~8度で飲むアサヒ「スーパードライ」は、「マイナス2度」まで冷やして飲ませる専門のバーを銀座に夏限定で開き、入店2時間待ちの大盛況。営業を9月末まで1カ月延ばしたという。

   大塚製薬のポカリスウェットの7月販売量が65%増など清涼飲料、スポーツ飲料も好調。

   コンビニは、主要10社の7月の既存店売上高が前年比0.5%増。アイス、清涼飲料のほか、冷やし中華、冷麺などの涼しげな食品、汗拭きシートなども好調という。

   エアコンは、7月の販売が前年比53%増加。地域的にはあまり暑さに慣れていないためか北海道、東北の伸びが目立つ。ある大手量販店チェーンでは、店によって前年の6、7倍も売れているという。エアコンフル稼働で、電力10社の7月の家庭用の販売電力量は6.1%増え、04年の過去最高を更新。

   娯楽・レジャー関係は、暑さで客足が鈍るところもあるが、知恵を絞って集客に努める。東京サマーランドは新規オープンしたスラーダーが2、3時間待ちという大人気で、来場者は前年より25%増加、「としまえん」も10%程度増えている。水族館のイルカショーは、前方の席は濡れることもあるのは昔からだが、これを売り物にしてPRするのが品川のエプソン品川アクアスタジアム。通常のショーの合間にイルカが飛び跳ねて客席に水をわざとジャブジャブと掛けるのが人気で、8月になって入場者は15%増。東京ディズニーランドはさすがにこの暑さで客足が鈍っているといわれるが、シンデレラ城の前の特設ステージで1日4回行われる「クール・ザ・ヒート」は、キャラクターが音楽に乗って踊りながら、大量の水を撒き散らし、客はずぶ濡れになりながら大喜び。

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