厚生労働省は2010年8月26日、省内で開かれた全国児童相談所長会議で、虐待が疑われる家庭に対して積極的な調査を迅速に行うよう要請した。
虐待の疑いがある場合、児童相談所は児童虐待防止法に基づいて保護者の出頭要求や強制立ち入り調査を行う。ところが、大阪市で母親が幼児2人を虐待死させた事件では、保護者と子どもの氏名が確認できなかったことなどから、出頭要求の書面通知や裁判所への強制立ち入り許可請求ができず、対応が遅れた。
これを教訓に厚労省は、(1)一定の調査を尽くした場合は部屋番号などの限られた情報だけで(強制立ち入りなどの)対応が可能との見解を全国自治体に通知する、(2)マンションやアパートの管理会社など不動産業界に対し居住者情報の開示など協力を求める、などの方針を明らかにした。