優勝校興南の知られざる秘密 監督が理事長兼務という「野球シフト」

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「野球部の運営は学校経営に共通する所も多い」

   理事長就任の時期は、夏の甲子園の沖縄県予選が始まる直前にあたる。「監督続投が条件」(10年8月22日、朝日新聞)だったというが、我喜屋氏は、地元紙に対して

「野球部の運営は学校経営に共通する所も多い。どちらもマイナスにはさせない。私学に求められているのは特徴ある学校。高学歴、難関大学への合格だけにとらわれない、社会に出ても通用する守礼の邦にふさわしい子供たちを育てていきたい」(10年7月4日、沖縄タイムス)

と抱負を述べている。

   「難関大学への合格だけにとらわれない」と述べているように、現状では「文武両道」というよりは、「武」に重きが置かれているとも取れる調査結果も出ている。09年度に行われた学校評価アンケートの結果によると、生徒の83.2%が「本校の部活動は活発である」と回答したのに対して、「授業は興味・関心が持てる内容である」と回答したのは、わずか43.2%。これに対して、学校側は「授業に対する評価が低いことは早急な対応が必要」とコメントしている。

   ただし、野球やサッカーの全国大会の優勝で知名度が高まり、進学校に「化けた」ケースは全国に数多くある。学校ウェブサイトでは

「文武両道を基軸に、進学、そして社会人としてどの分野でも活躍できる心・技・体の揃った『人』を育成することに熱意を注ぐ決意」

と理事長としての決意を述べている我喜屋氏。今後、どの程度「文」が伸びるか注目されそうだ。

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