優勝校興南の知られざる秘密 監督が理事長兼務という「野球シフト」

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   夏の甲子園で沖縄県勢として初めて優勝を決めた興南高校は、史上6校目の春夏連覇という偉業も同時に成し遂げた。同校は、野球以外にも多くの運動部が実績をあげている。また、野球部の監督が学校の理事長を兼任するという異例の体制だ。さらに、理事長就任は、夏の甲子園の直前。学校として野球に力を入れていることを印象づける出来事だ。

   優勝チームを率いたのは、同校OBの我喜屋優(がきや・まさる)監督(60)。1968年に同校が沖縄初のベスト8を果たしたときに4番で主将を務めた。

夏の甲子園の直前、監督が理事長に就任

   卒業後、社会人野球の大昭和製紙富士(当時)に入り、後に移籍した大昭和製紙北海道(同)では、74年の都市野球で初優勝。現役引退後は監督や北海道野球連盟の役員などを歴任し、34年間を北海道で過ごした。

   北海道時代のエピソードとして知られているのが、雪が積もった中でも雪かきをして練習を行ったことだ。これが、梅雨が長い沖縄でも、雨の日に長靴と雨がっぱで練習を敢行する練習スタイルにつながった。

   その我喜屋氏が母校に戻ってきたのが1998年。同校を運営する学校法人「興南学園」の理事として神谷健監督(当時)をサポートする形で学校経営に携わり、06年12月に野球部顧問、07年4月から監督に就任している。

   元々、興南高校はスポーツに強い学校だ。卒業生には、ボクシング元世界王者の具志堅用高さん、女子プロゴルファーの宮里美香さん、元プロ野球選手の仲田幸司さん、デニー友利さんなどがいる。ウェブサイト上で公開されているのは07年の実績だが、それを見る限りでは、運動部ではハンドボールで全国大会準優勝を果たしているし、県大会レベルでは、男子剣道部、女子剣道部、男子ゴルフ部などが、多数優勝している。

   もちろん野球も、その「強豪部活」のひとつだ。我喜屋氏が監督に就任した4か月後の07年7月には、同校を24年ぶりの甲子園に導いた。09年は春・夏ともに甲子園に出場。この実績が評価され、10年1月には監督としての契約を3年延長する形で続投が決定した。その直後の10年4月の春のセンバツ高校野球では初の全国優勝を果たしている。

   さらに、10年7月1日には、「春夏連覇」のプレッシャーがかかるなか、学校の理事長に就任してもいる。

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