産地・和歌山では出荷量40%増
梅干の「本場」といえば、和歌山県。なかでも紀南地方(みなべ町、田辺市)には300を超す梅加工業者が集まっている。夏場はちょうど、梅干づくりのピーク。梅干にとって猛暑は、つくるにも、売るにもいい環境なのだ。
地元の梅干農家の関係者は、「今年の猛暑で、出荷量は多いところで前年に比べ約40%増、平均すると20%は増えている」という。
東京・有楽町の「わかやま喜集館」でも、梅干の売上げは好調だ。50歳以上の女性が多く、なかでも人気なのが「白干梅」。梅を塩だけで漬けたシンプルな梅干で、塩分濃度が18~20%と濃く、かなりすっぱい。昔からある、薄いピンク色の梅干である。
塩分が気になる人や若い女性には、しそ漬けやハチミツ入りの梅干が人気。こちらもコンスタントに売れ行きを伸ばしているが、「猛暑になると、すっぱいものがよく売れますね」(わかやま喜集館)と話している。