人材派遣スタッフの時給が上がらず、厳しい状況が続いている。医療介護や教育といった時給の「底上げ」に貢献していた分野も、前年同期に比べて2か月連続でマイナスとなった。
リクルートがまとめた「派遣スタッフ募集時平均時給調査」によると、2010年6月の3大都市圏(関東、関西、東海)の平均時給は、前年同期比で0.5%減の1450円。24か月連続で前年実績を下回った。
職種別では、通訳・翻訳やデータ入力、金融事務などのオフィスワーク系はプラス幅を広げているが、医療事務や介護関連などの医療介護・教育系は10年5月にマイナスに転じ、その幅を広げている。デザイナーなどのクリエイティブ系は2カ月連続で前年を上回った。IT・技術系は9か月連続で前年実績を下回っているもののマイナス幅を縮めている。
地域別では、3エリアとも前年同期比でマイナス。なかでも、東海はすべての職種で前年同月を下回った。
雇用環境は最悪期を脱したとの見方が広がるものの、企業の募集状況も好転したとは言い切れず、スタッフの時給の改善にはまだ時間がかかるようだ。