説明不十分のまま毎年のように保険料上がる
同機構役員は、参考純率の引き上げに際し
「保険は相互扶助の精神で成り立っている商品だということを消費者にもっと理解してほしい」
と話した。確かに、保険商品の原理からすれば同機構や損保各社の言い分は正論だ。しかし、この「保険の原理」を消費者に伝える保険業界側の取り組みは現状で十分だろうか。説明不十分のまま毎年のように保険料が上がるばかりでは、契約者の不満は増す一方に見える。
国内の損保業界は、この春から東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、NKSJホールディングスの3メガ損保体制がスタートした。国内シェアは3社合計で実に95%を占める寡占状態となっている。三井住友海上火災の江頭敏明社長(当時、現・MS&AD社長)は、経営統合発表当時、「統合効果を早期に発揮できれば、将来的に保険料の値下げも可能になる」との見方を示していただけに、今後の3社の料率改定が注目される。