取引時間延長は世界的な流れ
実際のところ、取引量は景気や為替の動向に大きく左右され、取引時間延長によって増えたかどうかを検証するのはほぼ不可能だ。一方、いったん延長すれば、効果が薄い場合も、「やっぱり止めた」というわけにはいかない。
証券会社のコスト増は必至で、負担に見合う効果の保証がないだけに、東証も「中立的立場」を強調、斉藤惇東証社長は7月下旬の定例会見で「東証が何かを決める方向というわけではなく、ニーズを調査しているだけ」と慎重な言い回しに終始した。
とはいえ、取引時間延長は世界的な流れで、東証内に「何も手を打たなくていいのか」と焦りがあるのも事実。投資家の利便性向上か、それとも反対する証券各社の利益重視か――。議論百出の中、東証の決断が注目される。