法改正で規制を再強化
中部運輸局は、行政指導に沿った運賃申請を8月10日までに再提出するよう求めていた。それまでにMK側が再提出しない場合、MKが名古屋地区でのタクシー営業をできなくなる見通しだったが、同社による提訴を受けて申請期限を1カ月間先送りした。司法の判断を見守る必要があるとの理由からだ。MKと国の間で同様の訴訟が起きている福岡では、同社が求めた運賃認可の仮処分の申し立てを受けて、福岡地裁が主張を認める仮処分決定を出し、営業は継続されているが、名古屋での訴訟の行方はまだ流動的だ。
タクシー業界では、1990年前後の規制緩和による大都市での台数急増で運転手の労働条件が悪化し、社会問題化した経緯がある。09年の法改正はその反省に立って規制を再強化したものだ。しかし、企業の経費節減が進む中、「居酒屋タクシー」に象徴される個人タクシー事業者などのサービス競争は水面下で進んでおり、MKグループが全国で進める低運賃サービスが利用者の一定の支持を受けていることも事実で、司法の判断が注目されている。