日本は守備型執着やめ 勇気持って攻撃的パスサッカーを
木崎伸也さんに聞く「日本サッカーの未来」/創刊4周年記念インタビュー第2回

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将来は世界のスタンダードがパスサッカーになる

――日本が今後、W杯ベスト16以上を目指すにはどうすべきでしょうか。

木崎 オランダ出身の指導者フース・ヒディンク監督や現在はスペインリーグで指揮を執るジョゼ・モウリーニョ監督に代表される、勝つ確率を高める戦術志向のサッカーを目指すべきだと思います。実現するにはまず、明確なビジョンを持つべきです。どうやって勝ちたいかを考える。守備固めのカウンター戦術はたしかに、日本人向きと言えるかもしれませんが、私は、優勝国のスペインが見せた攻撃的なパスサッカーに挑戦していくべきだと思います。

――日本の長所を生かし、カウンターサッカーを極める戦略もあるのでは。

木崎 世界のトップクラスの国はパスサッカーを志向しています。優勝国のスペインをはじめ、今大会ではドイツ、オランダが同様の戦い方をしました。将来的には世界のスタンダードがパスサッカーになるのは間違いないのに、日本が守備型に執着するのは、長い目で見てよくない。日本は攻撃面でももっと緻密にプレーできる可能性は十分あります。日本人的と言うべきか、監督の指示を、規律を守り、一生懸命にやろうとするところがある。難しい要求でもできるようになると思います。

――パスサッカーにはどんな技術が求められますか。

木崎 標準レベルのサッカーはボールをスペースに出し、選手が追いかけ、それを拾って攻めていきます。それよりも一段上のパスサッカーは、走っている選手の足下に「点」であわせていく。選手の動きに合わせた、正確なタイミングで出せるパスが必要。技術的にはスペインのイニエスタやシャビが見せたように、敵が近くにいようとも遠くを見ながら足下のボールを操れる視野の広さとボールキープ力、確実なパスを出せるテクニックが求められます。
   日本では今、遠藤保仁選手(ガンバ大阪)がそれに近いことができますし、長谷部誠選手(ウォルフスブルク)も意識次第ではできるはず。正確なパスを出せる選手が多ければ、ゲームをもっと緻密に展開できる。もっとも、前線でいい動きをしてパスを受ける選手も必要です。パスを狙っても、マークを外せる選手がいなければ意味がないからです。チームとしての課題にもなるでしょう。
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