口蹄疫被害額5年で計2350億円 宮崎県本格復興への長い道のり

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優秀な種牛失い、「畜産農家の再建は早くて3年」

   民間の支援活動も拡大している。JR九州は16日から「宮崎応援キャンペーン」を展開する計画だ。各駅や車内に「宮崎へ行こう!」と呼びかけるポスターを掲示するとともに、格安旅行プランを発売。博多発で九州新幹線を経由するツアーの場合、2枚きっぷ(1万9000円)にワンコイン(500円)を加えれば1泊2食付きになるという「これまでにない割引」という。

   日本航空は「宮崎のブランドイメージの回復と観光需要の創出を」として、「がんばろう!宮崎」と銘打った応援サイトを開設し、さまざまな宮崎ツアーを企画する。全日空も各種ツアーを設定し、宮崎への誘客を図る。

   一方、宮崎県弁護士会やNPOなどは、復興の取り組みを側面から支えるため、県口蹄疫被害復興ボランティア支援団体連絡協議会を結成した。復興のためにさまざまな活動を展開するボランティアなどを財政的に支援しようとの動きだ。宮崎には全国各地から多くの義援金も寄せられており、県NPO活動支援センターは寄付を活用して、口蹄疫の影響で厳しい経済状況にある家庭の子供に1世帯3万円の奨学金を給付する活動を始めた。畜産農家だけでなく、収入が激減した自営業者や会社員の家庭も対象にする。

   周囲からの支援も得て、何とか立ち直ろうとする宮崎。ただ県が10日発表した試算によると、口蹄疫による県全体の畜産や観光などの被害額は今後5年間で計2350億円に上る見込みという。牛や豚を育てるのは息の長い営みで、今回は多くの優秀な種牛まで失っただけに、「畜産農家の再建は早くて3年はかかる」(関係者)ともいわれる。家畜の殺処分で被害を受けた農家への全額補償などを盛り込んだ特別措置法はできたが、畜産・宮崎の本格的な復興を国・県がどう力を合わせて進めるかはまだ不透明だが、息長い支援の取り組みが必要のようだ。

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