個人投資家とにかく「外貨買い」 円高急伸でFX活況

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   外国為替証拠金(FX)取引で、個人投資家の「外貨買い」が旺盛だ。背景は、言うまでもなく、急激な円高にある。

   FX取引は2010年8月1日から、証拠金倍率を50倍までとする規制(レバレッジ規制)がはじまり、取引の魅力が薄れて個人投資家の意欲が損なわれると思われたが、それもどこかへ吹っ飛んでしまいそうだ。

取引量、レバレッジ規制前に戻りつつある

   15年ぶりの円高水準で、FX取引がにぎわってきた。東京外国為替市場で、2010年8月11日、一時、1米ドル=84円70銭を付けた米ドル円相場は、13日には円高への警戒感が強まり、やや戻して85円~86円前半で推移した。

   輸出関連企業の株価をはじめ株式市場は急落したが、逆に活気づいたのがFX取引だ。東京金融取引所の取引所取引「くりっく365」の8月11日の取引量は、47万3374枚(1枚は1万通貨単位)で、レバレッジ規制が導入される前の7月30日と比べて、7008枚上回った。

   円高のときは、将来的に米ドルが上昇するのを見越して「買いポジション」(外貨を買うこと)から入れるので、FX投資の初心者にも買いやすい環境にある。初心者はデイトレーダーのようにこまめに相場を気にしていないので、「円が急騰したときは、その後、中・長期的にはジワジワと円安にふれることが多いので、個人投資家には買いやすい傾向にある」(FX業者)という。

   8月11日の米ドル円取引は、売買の84.1%が米ドル買い。ユーロ円は70.1%がユーロを買い、豪ドル円でも78.0%が豪ドルを買っていた。12日は、前日に比べて全体の取引量は減ったが、米ドル円取引の79.9%が米ドルを、ユーロ円では73.3%がユーロを、豪ドル円では77.5%が豪ドルを買っていた。

   FXを取り扱う証券会社やFX専業会社にとって円高は、取引口座の獲得や取引量を増やす、絶好の機会ともいえる。

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