「甲子園の土」を一般向け発売 1袋2310円マニアに人気集めそう

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   高校野球の聖地である阪神甲子園球場の土が一般向けに売り出された。阪神電気鉄道の100%子会社で、同球場の整備に当たる「阪神園芸」(本社・兵庫県西宮市)が同球場と同じ成分の土を「甲子園の土」(商品名は「阪神園芸グラウンドキーパーの土」)として、2010年8月から販売を開始したのだ。

   「甲子園の土」と言えば、春と夏の高校野球に出場した高校球児が記念に持ち帰る貴重なアイテムとして知られる。阪神園芸は独自のノウハウに基づく「水はけの良さ」をアピールし、高校のグラウンドなどでの利用を狙っているが、甲子園を愛するマニアらの人気を集めそうだ。

「水はけ」も「水持ち」もいい土

   阪神園芸によると、甲子園の土は「黒土プラス砂」の混合土で、その絶妙な配合バランスで、①水はけがよい②吸水性がよい③土の厚みに弾力性があるため、イレギュラーが少ない――などの特徴がある。

   「水はけのよさ」と「水持ちのよさ」は一見すると相反するようだが、同社は「雨の時は水はけがよく、乾燥時は水持ちがよい土」と説明している。この混合土のノウハウと球場管理は「長年培ってきた技術で、一朝一夕にマスターできるものではない」と説明する。実際の混合土は、鹿児島の黒土と砂を混合して作られているという。日本有数の活火山、桜島の灰も含まれているといわれる。

   同社は、これまでトン単位で大量の土を高校野球チームなどに供給してきたが、今回は15リットル入りの袋に小分けして発売したのが特徴だ。価格は1袋2310円(配送費は別)と、マニアでも手が届く分量と価格を実現している。

「甲子園と同じ土で練習したい」という高校も出てきそう

   甲子園球場以外にも公営施設のグラウンド整備を手掛けている同社は、07年から日本高野連を通し、ボランティアで加盟校のグラウンド整備を行っている。どの球場でも共通の悩みは「雨天時にはグラウンドの土が流出し、風が強い時には飛ばされるため、時間とともに土は痩せていくことだ」という。

   このため、年に1回程度はグラウンドの土の補充が必要で、「甲子園の土」を袋から取り出して、土が不足している個所に補充すればよいという。高校の野球部などが「甲子園の土」を備蓄しておき、雨天後、土が少なくなった個所に補充し、トンボをかければよいという。

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