小麦高騰、ロシアが輸出禁止 日本国内「行き過ぎ」と批判 

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   記録的な猛暑と少雨による干ばつ被害で穀物生産が落ち込むロシアが、小麦などの輸出を、2010年8月15日から12月末までのあいだ一時禁止する。小麦先物価格は7月30日の米シカゴ商品取引所(CBOT)で1ブッシェル(約27キログラム)6.6ドルだったが、ロシアの発表を受けた8月5日には値幅制限いっぱいのストップ高となり、1ブッシェル7.8ドルと約1年11か月ぶりの高値を付けた。

   小麦を原材料とするパンや麺・パスタなどの食料品の価格にハネ返る製粉業者らへの売り渡し価格は、4月期と10月期の年2回、農林水産省と輸入商社が交渉して決めていて、この10月期の改定価格は8月末に交渉に入る。過去には30%も上昇したこともあるので、製粉業者は気が気でない。

10月期の改定「そんなに影響はない」

   今回のロシアがとった小麦の輸出禁止措置について、製粉業者や輸入商社は「影響がないとは思わないが、どの程度になるのかはわからない」と口を揃える。日本の小麦の輸入量は年間約500~600トンで、このうちの50%を米国、25%をカナダ、20%を豪州から受け入れている。ロシアからの輸入はほとんどないが、「CBOTの小麦先物相場が急上昇しており、世界的に影響が広がりはじめている」(輸入商社)と心配する。

   農林水産省は10月期の売り渡し価格の改定について、「価格はこの3月から8月までの6か月間の平均取引価格に基づいて決めるので、いまの先物価格の高騰が直ちに影響することはないと思う。(影響は)あってもわずかではないか」(食糧貿易課)とみている。

   ただ、ロシアの輸出禁止(8月15日から12月末まで)が長引いたり、カザフスタンやウクライナがロシアに同調するようなことがあると、さらなる価格高騰はまぬがれそうにない。

   実際にパンや麺・パスタなどの価格に影響が及ぶまでは多少の時間があるとはいえ、デフレの中での商品の値上げはかなり厳しい。「とにかく、いまは情報収集と相場のようすを見るしかない」(製粉業者)と話す。

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