「手放し・足放し運転」も技術的には可能
富士重工は「世界で初めて」というステレオカメラを用いた先進技術で、先行車だけでなく、歩行者や自転車など前方の道路情報を認識し、能動的に衝突を回避する機能を実現した。富士重工は「高速道路など先行車の減速幅が大きい状況でも対応が可能で、先行車が停止した場合、自車を停止させたうえ停止状態を維持することで、渋滞時の運転負荷を軽減することも可能だ」と説明している。高速道路で居眠り運転による追突を回避するだけでなく、渋滞時には「自動運転」に近い威力を発揮するというわけだ。
自動車業界関係者によると、先行車との車間距離や走行車線を維持したり、歩行者などを発見して自動停止したりする制御システムを応用すれば、自動車はロボットによる自動運転に近づき、将来的には「手放し・足放し運転」も技術的には可能になるという。
中国やインドなど新興国の台頭で自動車市場は競争が激化しているが、日本メーカーはハイブリッドなどエコカーだけでなく、衝突回避や自動運転の制御システムでも世界をリードしており、生き残りをかけ実用化が進むのは確実だ。