グーグル「ネット中立性」捨てた? 通信業者と抜け駆け「密約」疑惑

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方針を180度転換?

   だが、通信事業者にとっては厄介だ。この考え方だと、大量かつ「重たい」コンテンツを流してネットワークを「占拠」する相手でも、接続料は他と変わらないからだ。トラフィックの増大でネットワークが混雑すれば、他のユーザーにも影響を及ぼすため、設備の増強を迫られる。だからといって、大量コンテンツを流す顧客から追加料金は徴収できない。

   米国では実際に争いがある。通信事業者コムキャストが、他のユーザーに不利益になるとして一部トラフィックを制御したことに、米連邦通信委員会(FCC)が08年に「違法」だと認定、妨害行為の禁止を求めた。ところが09年4月、米連邦控訴裁判所は、FCCにはこのような権限がないとしたのだ。ネットの中立性を進めたFCCの判断が「無効」となった格好で、グーグルをはじめとした推進派には打撃となった。

   仮にNYTの報道が正しければ、グーグルは方針を180度転換、平等な扱いを諦めて、通信業者からコンテンツ配信の「優先権」をカネで買うことで決着を図ろうとしているように見える。米国メディアでは、NYTに追従する形でこのニュースを流した。米ブログメディア「ハフィントンポスト」には、

「仮に記事が間違っていたとしても、グーグルは消費者から怒りのメッセージを受け取って慌てたに違いない」
「この契約が誰にも知られず進められたら、例えるなら図書館で、企業に操作された情報は本棚の探しやすい場所に配置されるが、その他は手の届かない隅に追いやられるようなものだ」

と、グーグルに対して疑惑の目を向けるコメントが並んだ。ネットの中立性の実現については消費者の間でも賛否両論あるようだが、このまま本当に契約が結ばれたとしたら、少なくともグーグルが自社の主張を曲げて「裏切った」と見られる恐れはある。

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