日本は「陰徳の美学」、根付くか寄付文化
日本国内でNPO(非営利団体)活動を支援する活動をしているあるNPOの30代の担当者は、バフェット氏らの取り組みについて「アメリカらしい動きだと思います」と感想をもらした。米国では寄付は富裕層がするもの、一方英国では多くの人が幅広く寄付する、という「型」があるという。日本は英国型だが、まだ寄付文化が根付いているとは言い難いのが現状だ。
日本の著名人たちも実は寄付している人も少なくないが、多くは表に名前を出すことに抵抗を感じており、「名前は言わないで欲しい」という要請がかなりあるのだという。良いことは、人に知られずに行うべきだという「陰徳の美学」が影響しているようだ。
それでもこの担当者は、バフェット氏らの取り組みが日本にも広がることに期待を寄せる。著名人の寄付が表に出ることで「人々の寄付への関心が高まるから」だ。また、寄付に至らなくても、「こんな社会的な活動をしている団体があるのか」と、寄付を集めている団体の活動へ興味をもってもらえれば「それだけでも関係者は喜ぶと思います」。
果たして、名前を公表しての「資産半額を寄付」の輪は、日本で広がりを見せるのだろうか。