「開かれた党という考え方から」
慶応大学の非常勤講師も勤めている自民党政務調査会の田村重信調査役(57)は、在日外国人も参加できる民主代表選について、8月1日のブログで、「民主党代表選は外国人勢力が影響力を行使する絶好の機会」などと指摘している。田村氏に取材すると、「永住外国人の地方参政権付与で与党内でももめている段階なのに、国政を超えて一気に首相を選ぶ『選挙』に在日外国人を参加させて良いはずがない。この制度がいかに危険なものか、訴えていきたい」と話した。「数が少なかったとしても、キャスティングボードを握る可能性がある」とも主張した。
また、日本大学の百地章教授(憲法学)は、「外国人の選挙権行使は、たとえ地方レベルでも憲法違反だ。まして、事実上の首相選出につながる今回の民主党代表選に外国人が参加することなど許されないし、危険極まりない。憲法違反の疑いも濃厚といえよう」と話している。なお、在日外国人への参政権付与については、憲法上禁じられていない、とする学者もいる。
民主党は取材に対し、今回の代表選で在日外国人が投票できることについて「現時点で特に問題はないと考えている」と回答した。理由については「開かれた党という考え方から、外国人の党員・サポーターへの登録を排除する規定を設けていない」とした。
また、登録作業については、国会議員か候補予定者が代表者を務める総支部が党本部に提出することに原則的になっているため、「党員・サポーターとしてふさわしくない人物は、国籍を問わず、総支部の段階で登録名簿に記載されない」としている。
党員・サポーターの中に在日外国人が何人含まれているかを公表していない点については、「(数は)把握していない。登録にあたり国籍を申告する制度を設けていないため」と明かした。
法務省の外国人登録者統計(09年末)によると、登録者全体は約218万人、うち永住・特別永住外国人は約94万人だ。