プロ野球選手も「軽さ」重視
モノに軽量さを求めるのも、10代と20代の特色だ。携帯音楽プレーヤーやスマートフォンは、年代が下がるほど所有に対する意欲も増す。「マイカーで高価なブランド品を身につけ外出するのがオシャレ」という感覚とは真逆の、「ケータイをポケットに入れ、音楽を聴きながら、安くてもお気に入りの服を身にまとって街を軽やかに歩く」というのが若者のライフスタイルに見える。
この調査とは別に、若者がモノに「軽さ」を求める傾向が見られる事例がある。その一つが運道具だ。あるスポーツ用品メーカーのカタログでは、10年前のサッカーシューズの最軽量品が235グラム(26センチ、片方)だったのに対して、10年のカタログでは215グラム。メーカーが用具の機能性を追求する姿勢は当然だが、軽量化に対する消費者のニーズが高まったのも事実のようだ。
プロ野球の世界でも同じ傾向が見られた。つい先日、日本人最速158kmをマークし、話題になった東京ヤクルトスワローズの由規投手(20)は、グローブやスパイクといった用具を選ぶ際に「軽量」を重視、あえてアマチュア選手向けに製造されたブランドを使用しているという。
前出の吉水氏は、10~20代の若者がモノを買える年齢になった頃は、品質に優れた製品が当たり前になっており、その環境の下で育ってきたという。それだけに若者は目が肥えており、軽さを含めて「機能的でデザインもよく、自分に合った製品」へのこだわりが強いのだと説明している。