新築の参議院会館で「シックハウス症候群」  予算委員会で民主党議員が質問

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   民主党の桜井充参議院議員(54)が新しい議員会館に充満する化学物質のせいで体の具合が悪くなる「シックハウス症候群」を発症したとし、2010年8月4日の参議院予算委員会で「国の化学物質の対策は十分だったか」と問題提起した。

   参院の新しい議員会館は7月1日に完成。議員事務所は従来の2.5倍の広さ、内装は高級ホテル並みの豪華さで、総事業費は衆参議員会館合計で約1700億円もの血税が使われたと批判が出た。その議員会館で体調を崩す議員が続出するとしたら国家の一大事だ。

三原じゅん子議員も「今、、、、私、、、、フラフラしています。吐き気もします」

   医師でもある桜井議員は10年7月22日付けのブログでこんな文章を綴った。

「昨日とある議員の部屋に行ってみると、すぐに具合が悪くなった。シックハウス症候群である」

   最近では経験がないほどの酷い化学物質の臭いが新会館内でしていた、という。桜井議員は8月上旬にここに引っ越す予定だが、入居した議員達が化学物質過敏症にならないよう祈っている、と書いている。

   桜井議員は8月4日の予算委員会で質問に立ち、自分が新会館でシックハウス症を発症し、自分以外にも体の不調が出た議員がいること。そして、住宅建材だけでなく家具や絨毯などの備品もシックハウス症対策を講じるべきだと訴えた。これに対し前原誠司国土交通相は、「新会館の化合物の濃度は基準値を下回っていると確認している」、と答弁した。

   社民党の保坂展人さんは8月4日付けのブログで、

「桜井議員は以前から『化学物質過敏症』に悩んでいると聞いてきた。会館に入った多くの人の身体に異変がなくても、かつてから敏感な人、シックハウス症候群を経験した人などは、大きなダメージを受ける」

と心配している。

   こうしたことで議員内には不安が広がっているようだ。自民党の三原じゅん子参議院議員は5日付けのブログに、

   「今、、、、私、、、、フラフラしています。吐き気もします。めまいもします。頭痛もします」と書いた。今朝事務所に来てからこうした症状が出て、座っているだけでも辛いくらい怠いのだという。そして、「これってシックハウス症候群???」と問いかけた。民主党の平野達男参院議員も入居時に目が痛くなった、などと報じられている。

「化学物質が出るなどの問題は聞いていない」

   ただし、平野議員の参議院事務所に問い合わせてみたところ、目が痛くなるなどの症状が出たのは事務所に入った最初だけで間もなく症状は無くなったという。三原議員の参議院事務所では、

「確かに辛そうでしたが、三原本人は桜井議員の新聞記事を読んでその気になってしまったのかな、と言ってまして、本当に症候群かは不明です」

と説明した。事務所内は事務所移転祝いの花で埋め尽くされているため、花の匂いに当てられた可能性もあるという。ちなみに、平野議員、三原議員の事務所員にハウスシック症候群の症状が出た人はいないという。

   参議院事務局の広報担当者に聞いたところ、ハウスシック症候群の症状が出たと申し出たのは桜井議員一人だけだそうだ。参議院議員会館の建設責任会社・鹿島建設に問い合わせてみると、

「化学物質が出るなどの問題があるとは聞いていません」

と同社広報は話した。

   NPO法人「シックハウス診断士協会」によれば、ハウスシック症は個人差が大きく、頭痛、吐き気など症状は多岐にわたる。また、症状を引き起こす化学物質も人それぞれで、同じ部屋にいても発症する人としない人が出るのだという。また、ハウスシック症と化学物質過敏症を混同している人も多く、ハウスシック症は室内や建物内にいるときに出てくる症状にたいし、化学物質過敏症は部屋や建物以外でも化学物質に反応してしまうのだそうだ。

「暑い時期なので化学物質が放出されやすくなっています。ハウスシック症の対策としてはまずは換気をすること」

と同協会では説明している。

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