高齢者の安否確認に「個人情報」の壁 「緊急時対応か」「目的外使用か」両論

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「1000人超え」の横浜市は慎重姿勢

   一方、個人情報の問題から、調査に慎重になっているのが横浜市だ。横浜市には、10年3月末時点で、1090人の100歳以上の高齢者が住んでいるとされる。高齢健康福祉課では

「国でも調査を行うという話があり、(調査対象の)人数が多いということもあって、二度手間になる可能性もある。相手のあることなので、二度手間は避けたい。国の状況を見て判断したい」

として、調査には未着手だ。仮に調査を行うにしても、介護保険や健康保険のデータの活用については、

「非常に魅力的なデータだが、やはり利用には壁がある。緊急時だからこそ、手続きをちゃんとやりたい。目的外使用については、これまでも多くの批判をいだいたという経緯もある。模索はしているが、まだ検討中という段階」

と、きわめて慎重な立場だ。

   このような事態を受けて、仙谷由人官房長官は10年8月5日午前の会見で、

「閣僚間で、一体全体『実態はどうなっているんだ』ということを、調べ始めないといけないな、と(話した)。」
「個人情報の保護の問題も、もしそれが阻害条件に使われているとすれば、法改正を含む何らかのものが必要なのかもわからないということが頭の隅にある」

と、法改正に前向きな姿勢を示している。

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