メーカー4社が相次いで売り出し、2009年に一大ブームになったノンアルコールビール。サントリー酒類はアルコール、カロリー、糖質の3つの「ゼロ」を実現したビールテイスト飲料「サントリー オールフリー」を10年8月3日に発売。同日、アサヒビールは、アルコール分とカロリーのダブルのゼロを実現したビールテイスト飲料「アサヒ ダブルゼロ」を売り出した。
2010年は「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」を売り物にした健康志向の分野で、ノンアルコールビール戦争が幕を開けた。
「カロリー、糖質ゼロ」でもおいしい味わい
「サントリー オールフリー」の特長は、「アルコール度数0.00%」に加えて、「カロリーゼロ」(栄養表示基準に基づき100mlあたり5kcal未満)と「糖質ゼロ」(100mlあたり0.5g未満)を実現したこと。
同社によると、アルコール、カロリー、糖質の3つの「ゼロ」を実現したビールテイスト飲料は、「世界初」だ。通常のビール系飲料の製造では酵母によるアルコール発酵が欠かせないが、「サントリー オールフリー」では酵母を使用しない製法を採用したので、アルコールは生成せず、アルコール0.00%を実現することができた、という。
さらに、カロリーゼロ、糖質ゼロでも「おいしい味わい」を実現することに工夫を重ねた。主な原料として、果糖ぶどう糖液糖や食物繊維を使用せず、厳選した一番麦芽だけを使い、苦味と香りを作り出すホップにも香り高い「アロマホップ」のみを使用し、ビール好きの人も満足できる味わいに仕上げた。
サントリー広報担当者は、
「『アルコール』『カロリー』『糖質』の3つの『ゼロ』とおいしい味わいを同時に実現しました。男女を問わず、健康意識の高い方やゴルファーの方にもお楽しみいただきたいです」
といい、2010年内に100万ケース(1ケースは633ml×20本)、年間では約250万ケースの販売を計画している。
また、8月3日の新発売から一週間の出荷数量は20万ケース程度を見込んでおり、「たいへん好調な出足」だ。