中国の日本国債買いが円高要因に
いまの円高の原因は、「諸外国が外貨準備通貨として円の保有を増やしているため。とくに中国は、米ドルやユーロの下落リスクをヘッジするため、かなりの勢いで日本国債を買っています」と、NTTスマートトレード市場情報部・工藤隆部長は話す。7月の参院選で菅首相が消費税の増税を口にしたことで、安全資産としての日本国債への注目度がさらに増したこともある。
季節要因もある。8月は夏季休暇のため、輸出企業を中心に駆け込みで「円買い」を銀行に発注することが多い。そのため、円高にふれやすいのだ。
レバレッジ規制の強化について、あるFX関係者は「影響は小さくない」と話す。レバレッジ規制も「円高を後押しした要因の一つ」と指摘。「本来、レバレッジが低く、外貨を長期で保有する傾向にある個人投資家までが規制の強化を意識して円を買い戻している。それを見越して、投機筋が短期的な円買いを持ち込むといった流れができ上がってしまった」と説明する。
そこに米国景気の回復の遅れが伝わり、さらに米ドル売り・円買いが進んだということらしい。