菅首相「君が代斉唱」拒否疑惑 真相はやぶの中

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   臨時国会で防戦一方だった菅直人首相が、早くも「イラ菅」ぶりを復活させた。自民党の平沢勝栄衆院議員が、菅首相がラジオ番組に出演した時に「『私は君が代を歌いたくない』と発言した」と指摘。これに対して、質疑をさえぎって「違う!」と猛反発した。だが、平沢氏の主張を裏付ける証言もあり、平沢氏は納得していない様子だ。

   臨時国会2日目にあたる2010年8月3日の衆院予算委員会で、平沢氏は約30分にわたって質疑。最後の質問として、平沢氏は

「総理は日の丸・君が代、賛成なんですか、反対ですか?」

と問いかけた。

「そんなこと言わない。ウソだ」

   その中で、平沢氏は、菅首相が過去にラジオ番組に出演した時のエピソードを持ち出した。菅首相が出演したのは、02年5月31日深夜(6月1日未明)にRFラジオ日本で生放送された「ミッキー安川の朝まで勝負」。故・ミッキー安川さんが司会を務め、平沢氏も、多く出演した番組だ。平沢氏は、菅首相が出演した時の様子を

「番組の冒頭、みんなが立って『君が代』を歌って、それから番組に入るんです。総理はその時、『私は君が代を歌いたくない』と言われました」

と指摘した。これに対して、菅首相は

「そんなこと言わない。ウソだ」

とさえぎった。平沢氏が「違いますか、それ」と応戦すると、菅首相は

「違う!」

と声を張り上げた。今国会では、言葉を選びながらの答弁が目立つ菅首相だが、今回については、このように一気に、なめらかに反論してみせた。

「こういう場で、そこまで言われるんだったらですね、誰が、どういう根拠で言ったか、あるいは、そのテープでもいいですから、ちゃんと出して下さい。私が、自分自身の中で、その場面そのものを細かく覚えている訳ではありませんが、私は、小学校・中学校の時代からですね、こういった場面で、特に国歌を斉唱しなかったというのは、そういう態度をとったことはありません。ですから、一般的にみなさんが斉唱されるときに、私だけが座っている、あるいは斉唱しない、そういう行動を取るはずがない、自分のなかで。ですから、そこまで言われるのであれば、きちんと証拠をあげていただきたい」

   この答弁に対して、平沢氏は

「いろんなところに出てるんです、これは」
「私はミッキーさんのご子息、当時まわりにいた人からも聞いてるんです」

と、納得出来ない様子で質疑を終えた。

   平沢氏が言う「いろんなところ」のひとつだとみられるのが、同番組によく出演していた作家の佐藤優氏だ。佐藤氏は、10年6月5日の「SANKEI EXPRESS」や「月刊WiLL」10年8月号で、この問題を取り上げている。SANKEI EXPRESSの記事によると、ミッキーさんは、菅首相が出演した時の様子を、佐藤氏にこう明かしている。

「この番組のゲストで来てもらったんだけど、『君が代』は歌いたくないと言うんだ。俺は、それはわかったから、俺たちが『君が代』を歌う間は、立っていてくれと頼んだ」

   佐藤氏が「それでどうなりましたか」と聞くと、ミッキーさんは「ちゃんと立ってたよ」と答えたという。

   ただし、番組を放送したラジオ日本の編成部によると、

「番組テープを保存する期間は3か月と決まっており、当時のテープが残っている訳でもないので、ラジオ日本としては確認のしようがない」

とのことで、真相解明は困難な状況だ。

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