「親の生死に全く無関心」な人々 不明長寿者に見る「希薄な家族」

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80歳以上で調べても、相当数の不明者が出てきそう

   「高齢の親の生死を知らない人が少なからずいる、というニュースを見て、やっぱりな、と思いました」。カウンセリングルーム立川(東京)の代表で、法務行政書士事務所も開いている坂田雅彦さん(54)は、一連の高齢者不明事案の報道を聞いても驚かなかったそうだ。

   仕事がら相続に絡む相談も多い。ある時点で改めて親戚や兄弟、両親などの所在を確認しようとすると、高齢者の場合、書類上の住所にはおらず、追跡調査をしても所在が分からない例が「結構ある」。互いに長期間連絡を取り合っておらず、関係が極めて希薄な家族が増えつつあると肌で感じていた。

   最初に「おやっ」と思ったのは約30年前で、以降はどんどん希薄化が進んでいる気がする。最近の経済状況悪化は、相手を気遣う余裕を失わせ、事態を加速させているとも感じていた。

   坂田さんは、生死が不明の高齢者は、今問題となっている100歳以上だけではなく、「80歳以上で調べても、相当数の不明者が確認されるのではないか」と懸念している。大阪で起きた幼い2児虐待死事件のニュースを見ながら、家族関係の希薄化という点で「高齢者不明のニュースとつながっているように思えてなりません」。

   厚生労働省は、全国の110歳以上の年金受給者を対象に対面調査を実施する方針を決めている。対象は100人未満となる見通し。100歳以上は、同省高齢者支援課によると、09年9月1日現在で4万399人。90歳以上100歳未満は、総務省統計局の人口推計によると、09年10月1日現在、128万3000人となっている。

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