レオパレス21赤字続く 社宅需要減って入居率低迷

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   アパート賃貸の大手、レオパレス21の赤字が続いている。コア部門の賃貸事業で入居率が低下しているのが響いている一方で、「借り上げ家賃」を払わなければならない管理戸数が増え続けているのが原因だ。

   入居率の低下は、大手製造業をはじめとした企業が寮や社宅として使っていた物件を解約したために起こった。また、競合が激しくなって賃貸料が下落したことも影響。雇用悪化とデフレのダブルパンチだ。

入居者減っても管理戸数は右肩上がり

   レオパレス21は、2010年3月期決算で790億円の最終赤字を計上(連結ベース)。7月30日に、11年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算を発表したが、売上高は前年同期に比べて12.6%減の1126億円、営業利益は128億円の赤字、当期純利益も136億円の赤字と、悪い流れが止まらない。

   赤字の原因は賃貸事業の不振。契約戸数の半分を占める法人需要の低迷が響いている。第1四半期の総契約数は、前年同期比14.4%減の7万1000件。入居率は同3.2ポイント減少して79.9%になった。

   同社は、「入居率は例年、夏ごろに底を打ちますから、今期は第3四半期には回復すると見ています」(広報室)と話すが、前年同期(52億円の赤字)よりも赤字幅が広がっていることを考えると、巻き返しはかなり厳しいといわざるを得ない。

   赤字幅が広がっているのは、入居者が減っているのに、管理戸数が右肩上がりで増えていることだ。同社は「借り上げ家賃」の名目でオーナーに対して家賃を保障している。家賃は一たん同社に入るが、そのうちの数%をオーナーに毎月支払う約束になっているのだ。そのため、入居者が減っても「借り上げ家賃」をオーナーに支払わなければならない。管理戸数が増えても家賃収入がなければ、オーナーへの支払いがかさむ一方になる。

   10年6月末時点の管理戸数は、前年比3万9498戸増の55万9241戸。3月末からの3か月間でも7468戸も増えている。「受注は抑えているところですが、オーナーからすでに受注した分については当社できちんと請負、管理しています」と説明。急に減らすことはできないようだ。

リストラなどで出て行った人が戻らないことには

   レオパレス21は赤字解消の打開策の一環として、2010年5月から「レオパレスパートナーズ」を展開している。これまで全国180か店以上あった直営店を順次閉鎖し、代わってフランチャイズ(FC)加盟店を出店する。あわせて、独立開業を希望する社員には会社都合退職扱いで退職金を支払い、FC加盟店に加わってもらう制度を整えた。FC加盟店を増やすことで、人件費などの固定費を圧縮する。計画では2011年度中に150か店のFCを出店。一方で35か店の直営店を閉鎖する。

   とはいえ、法人契約を回復させ、入居率を上げないことには業績は上がらない。借り上げやマンスリーで期間契約を結んでいた社宅は、製造業の派遣切りなどで雇用が大きく縮小した東海地区(71%)や北関東(74%)など、工場の立地が多いところを中心に大きく減少した。

   派遣切りが社会問題化したことでしばらく社宅に住んでいた労働者がいたが、そういった人も他に職を見つけるなどで転居し、空き家になった物件から解約が進んだ。

   同社は「(リストラなどで)出て行った人が戻ってこないことには」と嘆く。雇用が戻らないと、収益の回復もむずかしい。

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