参院選で初当選を果たし、「タリーズコーヒージャパン」の創業者としても知られる松田公太参院議員(みんなの党)が、週刊誌に憤っている。昔のパートナーが登場して松田氏について批判する記事に対しては「こんな無茶苦茶な事をよく書けるなー」とツイッターで不快感を示す一方、ブログでは、元妻や現在の交際相手の周辺にも取材攻勢が及んでいることを明らかにし、「強い憤りを感じている」としている。
2010年7月11日に行われた参院選で松田氏が初当選を果たすまでは、自らの創業物語をつづった著書「すべては一杯のコーヒーから」(新潮社)がベストセラーになるなど、松田氏の経営者としての顔が注目されてきた。ネガティブな記事といっても、「ホリエモンに楽天・三木谷…タリーズ創業者のセレブ選挙」(週刊朝日・10年7月16日号)と、その華やかな人脈を駆使した選挙戦の様子を皮肉られる程度だった。
「でも奴ら本当趣味わるいよね?」
ところが、松田氏周辺には週刊誌による取材攻勢が続いている様子で、当選を果たしてからは、タリーズコーヒー創業時のパートナーが松田氏を「告発」する記事も掲載されている。これらの週刊誌のあり方について、松田氏がツイッターやブログ上で怒りをあらわにしている。
まず松田氏が批判の対象にしているのが、週刊文春10年8月5日号に掲載された「松田公太 タリーズ創業パートナーが怒りの激白!」と題した記事。タリーズ創業時のパートナーだった中澤美貴(よしたか)氏が、前出の松田氏の著書の内容を批判する内容だ。具体的には、
「(著書では、松田氏と中澤氏の間に亀裂が入ったことについて)中澤氏が業務に怠慢だったことが原因だと書かれているが、中澤氏は『彼の言っていることは作り話と妄想に近い話。完全に誹謗中傷です』と憤る」
といった具合だ。
記事の最後で、松田氏の「事実は、私の本に書いてある通りです」などとするコメントが紹介されているものの、松田氏は、7月28日夕方、ツイッターで「週刊文春から、明日発売号に出される記事がファクスで届く。こんな無茶苦茶な事をよく書けるなー」と不快感を表明。
松田議員と親交のあるIT企業経営者たちも、ツイッター上で、
「私のとこにも取材来ましたが無難に答えましたが、変に歪曲されてたらごめんなさい。でも奴ら本当趣味わるいよね?」(堀江貴文氏)
「(取材拒否すると)さらに好き勝手書かれる可能性が高い」(同)
「悪意を感じたら会って念を押しながら取材受けるしかないね」(サイバーエージェント・藤田晋社長)
などと援護射撃。
松田氏は7月29日のブログでも「今回の記事のように、過去の事をねつ造して私を攻撃してくる輩がまたいつ出てくるか分かりません」と改めて反論している。
ドアのベルを押し続けたり、大声で騒いだり
前出の文春の記事では、松田氏の離婚歴についても触れており、前妻の「お話しすることはありませんので、(出馬については)何も聞いていません。まあ頑張って欲しいです」とのコメントが紹介されている。この点についても、松田氏は憤っている様子だ。
松田氏は、7月31日深夜に「私のプライベートについて書かせていただきます」と題してブログを更新。ブログでは、06年に離婚した妻との間の小学生になる長女がいるほか、現在は別の女性と交際しており、その女性との間にも3歳になる子どもがいることを明らかにしている。子どもを認知もしているという。
これらの家族関係を明かした理由を「週刊誌の取材に大変迷惑しているから」とした上で、元妻への取材攻勢の激しさについて、このように訴えている。
「執拗に夜遅い時間まで何度となく記者たちが家を訪れ、ドアのベルを押し続けたり、大声で騒いだりするため、小学生の娘は泣いて怯え、外に出たくないと引きこもり気味になってしまっています(あまりにもしつこいため何度か警察にも助けを求めているようです)。さらには、玄関先で騒いだ後、元妻の家の近所を回って、内情を話しながら聞き込み(?)をしているとのこと」
「記者たち」という表現からすると、複数の週刊誌が取材をかけている可能性も高そうだ。この書き込みに対しては、ツイッター上でも、
「驚きました。でも率直であることが正しい対応だと思います。往年の政治家っぽくはないですが笑」(前出・藤田社長)
などと「応援ツイート」が相次いでおり、松田氏は「アメブロのお陰で、自分の気持ちをしっかりと伝えられます」と応じている。