追加緩和観測がくすぶる
当面の金融政策については、足元の景気が回復基調を続けていることから、追加の緩和圧力はそう強くない。しかし、外需頼みの回復だけに、持続力には疑問符も付く。
中国はバブルを心配した引き締め気味の政策運営で成長減速の懸念が出ているし、米国も連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が7月21日の上院銀行委員会の公聴会で「米国経済の見通しは非常に不確実な状況になっている」と語るなど、追加緩和観測がくすぶる。円高が進む為替相場もにらみ、「いつ日銀への緩和圧力の大合唱が起きてもおかしくない」(政府筋)。山口広秀副総裁は「(景気)上振れと下振れのリスクは概ねバランスしている」としながらも「(下振れリスクに)目が離せない」と脇を固める(21日の富山市での会見)。
景気、景気・為替動向や国会情勢をにらみ、日銀の憂鬱な日々が続きそうだ。