「林業再生を期待できる好機にある」
このような構想が記者会見の場で披露されるのは異例だが、実は菅首相、08年7月27日のブログでは、07年5月にドイツを訪問した時の様子を振り返って、今回と同様の主張を展開している。
「その時、驚いたのはドイツの木材まで日本が輸入しているということ。1万キロはなれ、賃金水準も変わらないドイツの木材がなぜ日本の国産材との競争に勝つのか。全ては日本の林業の生産性の低さに原因がある。まず路網が整備されず、機械化が遅れていること」
さらに、菅首相が副首相を務めていた10年1月には、林野庁に「森林・林業再生プラン推進本部」が設置され、「今後10年間でドイツ並みの路網密度を達成」といった目標を掲げており、6月11日の所信表明演説でも
「路網整備等の支援により林業再生を期待できる好機にある」
と、ごく短く取り上げられてはいる。
だが、やはり首相演説として政策課題として大々的に打ち出されたことには「唐突だ」との声も上がりそうだ。