「菅総理自らが責任をとるべきだ」。参院選大敗後の民主党両院議員総会では、こんな厳しい声が噴出した。菅直人首相はこの場で、党代表選への立候補を表明したが、その声は何ともか細い調子だった。
民主党は2010年7月29日夕、両院議員総会を開いた。菅首相は「私の消費税を巡る不用意な発言によって大変重い、厳しい選挙をみなさんに強いることになった」と総括し、「心からおわびする」と陳謝した。
「いつから北朝鮮に」と不満の声
菅首相はまた、「苦しい中での再スタート」「死力を尽くしたい」と続投する考えも示した。その後党執行部は、敗因を分析した総括案を提示した。首相の消費税発言だけでなく、枝野幸男幹事長の「みんなの党との連携」発言や1人区の対策が不十分だったことなどが挙げられた。
執行部は、総会を区切りに責任論を収束させたい考えだったが、執行部批判の声は想定以上にすさまじく、菅首相の辞任を迫る声が公然と上がった。中津川博郷衆院議員はマイクを手に「菅総理自らが責任をとるべきだ」と迫った。
ほかにも「誰かが責任を取るのが当たり前。誰が取るんですか」「我々の知らない間に衆院マニフェストが変えられた。いつから(民主党は)北朝鮮になったんですか」と激しい口調の批判が続いた。擁護論も出たが、ほとんどつるし上げ状態にも見えた。
なお、菅総理が参院選後に会おうとしていまだ会うことができない小沢一郎・前幹事長は、総会を欠席、「無言の圧力」をかけた形だ。
菅総理は批判を受けた後また壇上に立ち、9月の代表選へ立候補する意向を表明した。しかし、「代表選まではこの体制で対応させて頂きたい」と何とも頼りない調子での宣言となった。