「歌手として復帰できることが前提で手術を受ける」
年間の食道がん患者数が350例の恵佑会札幌病院(札幌市)の細川正夫理事長兼院長によると、一般的にがんが粘膜にできている場合は、内視鏡手術で「100%治る」が、粘膜下層まで達していると、リンパを通して転移の可能性が高まり、「内視鏡手術だけでは不十分」だ。外科手術で食道とリンパ節を含む周囲の組織を切除したり、放射線治療や抗がん剤治療をするケースが多い。
細川院長は、
「食道がんが粘膜にできているか、その下(粘膜下層)まで突き破っているかで、天と地の差があります。もはや別のがんと考えたほうがいい」
とも言っている。
また、桑田さんの場合、心配されているのが声帯への影響だ。
アミューズの担当者は、「手術すると声が出なくなる喉頭がんと違う。歌手として復帰できることが前提で手術を受ける」といい、影響はないようだ。
前出の細川院長(恵佑会札幌病院)も、「内視鏡手術だけで済めば声への影響はまったくない」と言っている。しかし、粘膜下層にがんが達し、食道やリンパ管を切除する場合、声を出す神経のそばを傷つけるので、「影響が出る可能性がある」。声帯への影響を避けるために、抗がん剤治療や放射線治療を選択するケースも考えられるという。