消費者の米の潜在需要を掘り起こす?
三洋の佐野精一郎社長は
「GOPANの販売で国内の食糧自給率を高めたい。そのためには政府との連携も強化したい」
と意気込む。農林水産省によると、国内の米の1人当たりの年間消費量は1962年の118キロがピークで、2008年は59キロと半減している。食糧自給率で見ると、76%から41%に低下している。政府はこの41%を50%に引き上げることを目標としており、そのためには、輸入品が大半を占める小麦の消費を抑え、ほぼ100%国産の米を増やすことは大きな効果がある。三洋はGOPANの普及が「消費者の米の潜在需要を掘り起こす」とみている。「これまでご飯になるのが当たり前だったお米から、手軽にパンを作ることが可能になった」からだ。
三洋のGOPANについては、農水省の佐々木隆博政務官が「米の新しい消費の仕方を提案するもので、食糧自給率の向上の観点からも大いに期待する」などと異例のコメントを寄せている。三洋が政府と連携したプロモーションを行っている点も見逃せない。
GOPANの発売は10月8日。市場想定価格は5万円前後。米で作ったパンはモチモチの食感で、小麦粉アレルギーの人も食べられるメリットもある。パン1斤当たりの材料費は市販の米粉の336円に対して、米は148円、小麦は124円という。ホームベーカリーとしては割高なGOPANを買い得と感じるかどうか。消費者の反応が気になるところだ。