出版社側は紙でも電子版でも売れればよい
出版社にしてみれば、長年紙の本を作って売ってもらった「しがらみ」はあるが、結局は紙でも電子版でも売れればよい。むしろ電子版なら初期投資だけで追加費用があまりかからない。
紙のネットワークの特に「川下」では、何とか生き残ろうと書店の店頭に電子書籍のダウンロード機を置いたり、電子書籍をSDカードのようなパッケージメディアに入れて売ろうと努力をしているが「アイパッドにダウンロードすれば済むものをわざわざ書店に行くだろうか」と当然の疑問の声が聞かれる。
アップルが販売する電子書籍を選別するなど、米国勢の問題点も指摘する見方もあるが、大きな流れとしては紙のネットワークの「川下」に厳しいものになりそうだ。消費者にとっては書店をぶらつくのも楽しみではあるのだが、電子書籍で先行する米国でバーンズ&ノーブルなどの大手書店も苦しんでいるのを見ると、この流れは止まりそうにない。