99歳おばあちゃん詩集33万部 60代以上の女性から「熱烈支持」

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   一人暮らしの99歳女性が書いた詩集が発売され、発行部数が「詩集としては異例」の33万部を突破した。読者のほとんどが60歳代以上の女性だ。大ヒットの理由は何なのか。

   柴田トヨさん(99)が書いた詩42作品を集めた「くじけないで」(飛鳥新社)が2010年3月17日に発売された。トヨさんは09年10月に詩集を自費出版している。それを読んだ飛鳥新社の編集者五十嵐麻子さんが惚れ込み、トヨさんに会いに行った。

「生きる強さと喜びを感じた」

99歳の詩人、柴田トヨさん
99歳の詩人、柴田トヨさん
「私自身がトヨさんのファンで、もっと多くの人に読んでもらいたいと思い、なんとか一般流通化できないかと考えました」

   初版1万部だったが、テレビ番組や、朝日新聞「天声人語」などで紹介されたこともあり、7月26日現在で発行部数が33万部(11刷)を突破した。詩集としては「異例のこと」だ。

   本に挟まれている読者カードが約2000通送られてきた。60歳以上の女性がほとんどで、トヨさんのように夫と死別したり、子どもが巣立ったりして1人になったという女性が多い。

   五十嵐さんは、

「将来に不安を抱いている女性は多く、トヨさんの詩を読んで、1人暮らしを実践している大先輩に語りかけてもらったり、励ましてもらったりしているような気持ちになるんです」

と話している。

「くすぶっていた心の重み、自信のなさがすっとなくなりました」
「誰もが感じていること、誰でもが持っている思い。
やさしい言葉の中に、生きる強さと喜びを感じた」

   中高年の読者から寄せられた感想だ。

「トヨさんの詩を読んだら、『おかん』に電話したくなりました」

といった20歳代男性もいる。

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