山岳遭難、安易な救助要請も ヘリ救助は「当たり前」なのか

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04年には長野県が有料化検討

   この中には、携帯電話による安易な救助要請も少なくないといい、実際、04年には、長野県でヘリの有料化が検討されたことがある。この発端となったのが、北アルプスに単独登山した男性からの救助要請だ。この男性は、03年夏、1か月に2度も

「テントの中でお湯をこぼしてヤケドした」
「転んで手を切った」

などとして救助を要請。ヘリが現場に急行すると、いずれも男性は元気な様子で、自ら手を振ってヘリを誘導したという。

   このようなケースが後を絶たなかったことから、田中康夫知事(当時)が、危機管理室に有料化を検討するように指示したが、航空法や他県の救助活動との兼ね合いがある上、田中知事が知事選で敗れたこともあって、有料化案は立ち消えになった。長野県以外にも、09年6月には、富山県議会で「受益者負担」を求める質問が出ている。

   今回の事故が起こった秩父山系を管轄する埼玉県警の山岳救助隊でも、一般向けニューズレターの中で

「山では自己責任によるセルフレスキューが大原則の基本です。何かあったら救助を要請すればよいとの計画だけでの登山はやめてください」
「インターネットの情報を鵜呑みにして、あえて通行禁止の登山道に進入して遭難し、飲まず食わずで一晩過ごしヘリに救助された事案があります。警察・消防の救助隊もヘリコプターも貴重な税金で運営されていることを忘れないでください」

と呼びかけているものの、守られているとは言えないのが現状だ。

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