大手コンビニ「ファミリーマート」の学生アルバイトが、ミクシィで商品を盗んだなどと告白して、騒ぎになっている。同社によると、賞味期限切れの廃棄商品というが、コンビニ関係者は、バイトの万引きは、あっても発覚しにくいと明かす。
ミクシィで「犯罪自慢」をしていたのは、富山県内在住で19歳の大学1年男子学生というアルバイトだ。この学生バイトは、同県内のファミリーマートで働いており、ミクシィの日記で2010年7月19日未明、一連の経緯を書き込んだ。
ファミマ「賞味期限切れの廃棄商品」
バイトは、土曜日に朝早く起きて店に行き、夕方4時まで新人と2人だけだったという。この間、だいぶミスをして、レジにマイナスが多いと告白。そして、何か恨みでもあるのか、「ざまぁみろ店長」とつぶやいた後に、こう明かしたのだ。
「こんなに商品パクってやった☆食費うきまくり」
アップされた写真には、おにぎりやサラダなど7、8点の食品らしきものが写っている。さらにこの日夜には、「ふぁ●まは食べ物の宝島」との見出しで、さらに15点ほどの食品らしき商品を写真に載せた。また、5月21日には、未成年にもかかわらず飲酒していると、缶チューハイとみられる写真付きで書き込んでいる。
これらの投稿は、2ちゃんねらーらの目に留まり、ネット上で騒ぎに。学生バイトは慌てたのか、すべての日記を削除したうえで、ミクシィからすでに退会している。
盗んだとの告白は、事実なのか。
ファミリーマートの広報担当者は、取材に対し、写真に撮られたのは、賞味期限切れで廃棄になる商品だと説明した。ただ、学生バイトが店長の了解を得ておにぎりなどを持ち帰ったのかは、まだ確認が取れていないという。もし無断なら、やはり万引きの疑いが残ることになる。
コンビニオーナー「あっても発覚しにくい」
コンビニでのバイト万引きについては、過去に問題になったことがある。
福岡県内で1994年、コンビニの学生バイトら11人が集団で万引きしたとされ、不起訴になったものの、民事訴訟で店側への賠償金支払いが命じられた。このケースでは、レジ操作で売り上げを消したり、監視カメラの死角を狙って商品を持ち帰ったりしていたという。
今もこうした万引きに悩まされているのか。
東日本のあるコンビニ店オーナーは、次のように話す。
「首都圏などの店では、客の万引きが多く、閉店に追い込まれるところが出ています。このようなケースでは、アルバイトが絡んでいる可能性がありますね。監視カメラが設置されているのも、客とバイト両方に対する意味があると思います」
とはいえ、バイトの場合は、なかなか発覚しにくいという。
「信用して雇っていますので、疑ってかかることはできません。年に2、3回の棚卸しで、品減りが分かることがありますが、だれが万引きしたのか特定するのは難しいです」
バイトの万引きが多いことについては、コンビニ側は否定的だ。
ファミリーマートの広報担当者は、「まったくないとは言えませんが、一概に多いとも言えません」と言う。また、ローソンの広報でも、同様の見解を述べたうえで、「今回のは、その店の事情であって、コンビニすべてがそう見られるのは困ります」と話している。