ユニクロがバングラ・グラミン銀行と合弁 日本企業初の本格「ソーシャルビジネス」

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バングラやカンボジア、ミャンマーに拠点をシフト

   ただ、1ドルとは言っても国民の約3割が貧困ライン(1日の生活費1.25ドル)以下のバングラでは安くないが、ファストリの柳井正会長兼社長は「1ドルでもそれ以上の付加価値があり、消費者に選ばれるものを作りたい」と話し、浸透に自信をのぞかせる。

   ファストリ1年前から柳井会長の肝入りで準備を進めた。製造拠点の85%が集中する中国はストライキの頻発などもあって人件費アップは避けられず、今後、バングラやカンボジア、ミャンマーなどに拠点をシフトする方針だが、米国のナイキやギャップが途上国で「過酷な労働を強いられている」と批判を浴びた例も念頭にあったという。

   特にバングラは既に1億5000万人を超える人口を抱え、経済成長に伴って、今後消費市場としても期待できるだけに「ユニクロのブランドを浸透させる狙いもあった」と柳井氏は語っている。

   そうした現実的な経営判断のもとに進められたファストリとグラミン銀行の提携ではあるが、日本貿易振興機構(JETRO)によると、ファストリのように収益を吸い上げずに現地に再投資する本格的なソーシャルビジネスは日本企業では初めて。柳井会長が「軌道に乗るまで撤退しない」と決意を語る事業の行方が注目される。

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