幻想を満たしてくれるAVに女性が傾倒する
福岡市の成人映画館「天神シネマ」は、今年の春から毎週水曜日は「レディスデー!」とし、女性もしくはカップルに限り入場できるようにした。それまで女性客は殆どいなかったが、今では多い日は60席のうち女性客が10人を超える日もある。同映画館では女性はチャレンジ精神が旺盛だとし、
「監督は誰なのか、出演する役者さんは誰なのかを選び来場するケースが目立ちます。中心は20代、30代の女性ですね」
と話している。
日本大学芸術学部非常勤講師で「女装する女」などの著書がある出版・広告ディレクターの湯山玲子さんは、女性がAVに興味を持ち出したのは、女性にも性欲があり、男性と同じような自慰欲求はあることが社会の中で容認され始めたのがきっかけと見る。
アンアンなどの若い女性向けの雑誌では、AVといってもおかしくない、女性のためのセクシュアルなDVDが付録に付いて、完売するという時代になっている。加えて、インターネットの発達で、人に知られず容易に入手できるようになったことも、今のAV人気の背景にある。
「男女とも恋愛を経てのリアルセックスという理想型に、面倒くささを感じている。男性は可愛い女の子が際どいプレイを惜しげもなくやってくれる二次元のAVにハマったが、それと同じ事が女性にも起きている。男の性的なリーダーシップが現実的にはどんどん後退している分、セックス幻想を満たしてくれるAVに、女性がより傾倒する傾向がある」
これが湯山さんの分析だ。