振興銀行は何を隠そうとしたのか 不透明な資金の流れが焦点

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「振興銀行の業績を良く見せかけるための操作」

   関係者によると、同行から融資を受けた複数の会員企業があるファンドに資金を流し、そのファンドが別の会員企業の株式を購入する不自然な取引が繰り返されていたという。経営不振に陥った会員企業の株式を別の会員企業に買い取らせ、購入代金を同行の融資返済に充てさせていた疑いも浮上している。このほか、特定企業への融資集中を禁じる大口融資規制に抵触しないよう、会員企業を通じて迂回融資をしていた疑惑もあるという。

   金融庁筋は「いずれも不良債権を隠し、振興銀行の業績を良く見せかけるための操作だ。しかし、法規制を知り尽くす木村前会長は、不透明な取引の説明を求める当局に対して巧妙に反論し、処分を逃れてきた」と指摘する。

   木村前会長らの逮捕容疑となった約280通の削除メールのうち、ほとんどが同ネットワークの取引に関するものだったという。警視庁捜査2課はこうした不透明な取引の実態を解明するとともに、木村前会長の関与も慎重に調べるとみられる。

   会員企業の中には、振興銀行やネットワークとの関係を解消する動きも出始めており、事件の余波は今後も広がりそうだ。

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