兵庫県淡路島で主婦業をこなしながら執筆
帰国後、結婚。時間の余裕ができたことから、30歳のころから執筆を始めた。「形に残せるものに挑戦したい」という思いがあったという。最初は脚本家を目指し、05年に新人脚本賞で佳作入選したが、「新人で地方在住は難しい」と言われ、小説に転向。兵庫県淡路島で主婦業をこなしながら執筆してきた。
「人生の大半が島暮らし」だといい、10年1月に発売された『Nのために』(東京創元社)でも島出身の若者を描いている。6月には故郷・因島の市民会館で「凱旋上映会」が行われた。因島にとって、湊さんは同郷のロックバンド・ポルノグラフィティと並ぶ誇りのようだ。
双葉社によると、『告白』文庫版は発行部数では、6月末に200万部を突破、現在208万部発行されている。文庫・書籍含めて、100万部を突破するのは双葉社にとっても初めて。それだけに担当者は、
「08年に書籍版が発売された当初から、書店の方で売場を作ってもらって大きく展開して頂き、新人作家のデビュー作としては異例の売れ行きでした。文庫の方は、ダブルミリオンを超えましたが、本が売れないと言われている昨今、弊社としても驚くくらいの動きです」
と話している。