PCになじまない人にこそ普及の余地
「実際どういう場面で使うのかイマイチ実感できない」と、アイパッドをもてあまし気味のユーザーがいる半面、自分に便利に使えればいいという人、あるいは「色々やろうと思わない人が何となくいじるにはいい端末」と、マイペースで使えば満足という声もネットにはある。
アスキー総合研究所所長・遠藤諭氏は、肯定的な見通しを持っているという。アイパッドの主要な購入者層は30~40代の男性。遠藤氏によると、「おじさん世代」は自分で使うだけでなく、家に帰ると子どもたちがゲームを楽しもうとアイパッドを「とりあう」という話もあるようだ。
PCとの比較で語られがちなアイパッドだが、遠藤氏は「さまざまな場所や環境で、『ツイッター』などのネットサービスを積極的に使う人には便利ではないか」と話す。いちいちブラウザで特定のウェブサイトを巡らなくても、アプリごとに簡単に個別のネットサービスにアクセスできるのは楽だ。PCのように面倒な設定も必要ないので、むしろPCになじまない高齢者や、携帯電話だけでネットにアクセスする人たちには便利に感じられるはず。今後、学校で「電子教科書」が普及すれば、その端末にもなり得るだろう。
ヨドバシカメラマルチメディアAkibaに聞くと、iPadは今も予約販売の状態で、入荷まで1、2週間かかるという。7月に入っても安定的に予約は入ってくるが、それでも発売直後に比べれば大分落ち着いたようだ。熱狂的なブームは収まった感はあり、新しいもの好きな「アーリーアダプター」の中で既に「アイパッド飽きた」という人が出てきたとしても不思議はない。次の段階としては、まだ普及していない子どもや高齢者といった層に受け入れられるかが、本格的な定着のカギとなるだろう。