白熱電球とは「仕組み」が違う
国民生活センターに寄せられた苦情や相談は、「10年間使用できるというので買ったのに、すぐに切れた」、「調光用LED電球を買ったが、暗くすると明かりがチラつく。メーカーに問い合わせたところ、むずかしい商品なので性能にバラつきがあるといわれた」、「明るさの表示には60ワットとあったのに、実際には40ワットの明るさしかなかった。メーカーは表示を明確にすべきだ」といった内容。「光が広がらない」、「重くて照明器具にあわない」といったものもある。
消費者の目から見ると同じように見える、従来の一般電球とLED電球だが、どのメーカーも、そもそも「仕組み」が違うことを強調する。一般電球は、電球の中にフィラメントが入っているだけだが、LED電球の場合は電源や熱を逃すための工夫が施されているので、その分、重たくできている。また、一般電球の光が全方向に広がるのに対して、LED電球は電球の上の部分しか光らず、「指向性」が高いのが特徴だ。
そのため、「光のあたり方が一般電球と同じイメージのようにはいかないことがあります。たとえば、ペンダントライトや横付け、斜め付けの照明器具を使う場合は、少し暗く感じることがあります」と、東芝ライテックは説明する。
同社は、「購入時には、『ルーメン値』に注意してもらいたい」という。消費者はワット数が大きければ明るいと思っていて、40ワットと60ワットでは60ワットのほうが明るいと思っている。しかし、LED電球の明るさをみる場合は、「光束を表わすルーメン値が大きいほど光束が多く明るい」という。
パナソニックは、「照明器具によって、一般電球とLED電球を上手に使い分けてほしい」と話す。
省エネ、長寿命ばかりが喧伝されているが、LED電球は「まったく新しい電球」なので消費者は購入時に気をつける必要があるようだ。