野村ホールディングスは、日本企業で初めて中東地域におけるイスラム手法「ムラバハ」を使って、7000億ドル(約60億円)の資金調達を行うと2010年7月15日に発表した。
ムラバハは、イスラム金融の中でも広く普及している取引形態で、商品購入者が必要とする商品をイスラムの金融機関(アレンジャー)が現金払いで購入して、実際の購入者に販売。アレンジャーは利益(金利相当)を上乗せした販売代金を割賦払いで購入者から受け取る仕組み。イスラム金融市場での資金運用の6~7割程度を占めていて、リテール金融ではクルマの購入のためのファイナンスや、法人取引では設備機械や原材料の購入などに利用されている。
今回のムラバハは、バーレーン王国にあるArab Banking Corporationのイスラム金融部門子会社ABC Islamic Bank(E.C.)がアレンジャーを務め、野村HDは3年間かけて割賦払いしていく。
野村HDは資金調達手段を多様化するとともに、イスラム金融のノウハウを蓄積していく考え。