日本銀行が2010年7月16日に発表した7月の金融経済月報によると、景気の現状について「緩やかに回復しつつある」との判断を3か月連続で据え置いた。個別項目をみると、個人消費については前月までの「各種対策の効果もあって、耐久消費財を中心に持ち直している」から「持ち直し基調を続けている」に表現を変えた。
輸出や生産は「増加基調を続けている」、企業の収益や景況感は「引き続き改善している」という。雇用・所得環境は「引き続き厳しい状況にあるものの、その程度は幾分和らいでいる」としている。設備投資は「持ち直しに転じつつある」に前月の判断を維持した。
先行きについても「緩やかに回復していく」との見通しを改めて示した。
一方、日銀は2010年度の実質経済成長率の見通しを、従来の1.8%から2.6%に上方修正した。新興国経済が好調で輸出や生産の拡大が続いており、「景気は回復傾向をたどっている」としている。先行きのリスク要因としては、欧州の財政・金融不安をあげた。
なお、7月15日に開いた金融政策決定会合で、政策金利は0.1%に据え置いた。