「幹部が同様の認識もつと確認」
果たして、ネバダ・レポートは、「IMFに近い筋」がまとめたものなのだろうか、それとも「出所不明」の調査なのだろうか。IMFのアジア太平洋地域事務所(東京)の広報担当者によると、「ネバダ・レポート」はIMFの公式文書ではないし、IMFが日本の調査会社に調査を「下請け」に出すことは「あり得ない」という。
五十嵐衆院議員に取材すると、予算委での質問はよく覚えているという。ネット上で、ネバダ・レポートについて、「出所不明」「IMFとは関係ないのでは」との指摘があることについて、こう反論した。
国会で取り上げた文書は、ネットでもネバダ・レポート(現在は改称)を配信している会社が、有料で定期発行していた印刷物の「ネバダ・エコノミック・レポート」のひとつだ。当時、「一定の勉強をしている議員やジャーナリスト」たちはかなり目にしていた文章だという。IMFの意向については「05年にIMF幹部と協議した際、ネバダ・レポートのような認識を彼らが持っていることは確認できた」。
五十嵐議員は、「日本の財政事情は02年当時より深刻化しており、現在でも財政健全化の必要性を強く訴えている」と話す。ただ、「注目を集めている消費税増税議論はあくまで一検討要素で、無駄のカットや資産売却などを含めたトータルの財政健全化が必要だ」としている。