口蹄疫めぐり知事と農水相が対立 種牛6頭殺処分か救済か

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   宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、殺処分できずに残った民間種牛6頭の処遇について、東国原英夫知事と山田正彦農水相が激しく対立している。特例で救済を求める知事に対し農水相は、これを拒否、国が行政代執行で処分する、としている。

   宮崎県内で口蹄疫感染の疑いがある牛が見つかったのは2010年4月20日。それ以来、感染の拡大を防ぐため、牛豚など約20万頭が殺処分された。ワクチン接種を終えたものを含めると27万頭以上に上る。そうしたなか、なぜこの6頭だけが処分されずに残ったのか。

「殺処分したら知事のせいに」

   この問題を巡り、両者が会談したのは2010年7月13日。この日、宮崎県児湯地区の7生産者団体「JA尾鈴畜産組織連絡協議会」は、宮崎県庁で記者会見を開いた。感染していない牛や豚についても農家は涙を流しながら殺処分したのに、残った6頭について方向転換したのはおかしい、県は危機管理が甘いと批判、仮に6頭を残した場合、取引上の支障が出る可能性が大きい、と訴えた。

   J-CASTニュースが同協議会関係者に話を聞くと、殺処分は全て終了し「安全宣言」が出されるのは間近と期待した直後に、この6頭の存在が県から明らかにされた。県は種牛6頭を所有している農家に殺処分を勧告したが、農家は応じなかったのだという。

   県が説得を続けるうちに、この農家は命に代えても牛を守るとし、殺処分された場合は知事のせいだ、と県に伝えた。さらに、県はこの6頭とは別に、特例としてエース級の種牛5頭を隔離し確保したが(6頭を隔離し1頭は口蹄疫が発症したため殺処分)、それは違法であり殺処分すべきだと訴える、と伝えたため、県があわてた、というのだ。

「自分の支持率が大切な知事と、5頭のエース級種牛について訴えられれば負けると判断した県が、農家の6頭の牛を無償で譲り受け、前の5頭と同じように扱うよう国と協議することになったのです」

と連絡協議会ではみている。

   また、6頭を知事は重要な種牛と言っているが、児湯地区で取り引きされる全体のごくわずかにすぎず、仮に6頭が殺処分されても影響はない、と話している。

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