リコール原因の可能性など流動的要素も
同紙の報道は、英ロイター通信社なども後追い報道しており、欧米メディアでも、トヨタ再評価の兆しが出ているようだ。
その背景には、アメリカなどでトヨタ車が現地生産され、多くの人が働いている事情があるとみられる。同国では、販売されるトヨタ車の7割ほどが国内工場産で、17万人以上がトヨタ関連で働くだけに、死活問題だ。バッシングへの反発が強かったこともあってか、米ニューヨーク・タイムズ紙がトヨタ車の購入を勧めるような記事まで書くようになっている。
もっとも、アメリカの自動車産業界からはトヨタへの風当たりがまだ強く、米議会にはその支援を受けた強硬派も多い。事故車の急加速は、アクセルが戻りにくかったり、フロアマットに引っかかったりするリコール原因の可能性があるとも報じられており、トヨタが完全に汚名返上できたとは言い切れない状況だ。
トヨタ自動車の広報部では、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道について、「当局から調査結果の報告を受けていませんので、今の段階ではコメントできません」と慎重だ。リコール原因についても、「可能性の話になりますので、お答えしにくいことです」としている。