電話機を覆うケース無料配布できるか
そんな中、IT系メディアの間ではアイフォーン4のリコールの憶測まで出始めた。CNETニュース(英語版)によると、仮にアップルがリコールを実施した場合の経費の総額はおよそ15億ドル(約1335億円)に上る。これはアップルの手元現金資産の3.5%に相当する莫大な金額だ。
とは言え、全面的なリコールの可能性は極めて低いだろうというのが多くのITアナリストの見方だ。確かに、実際に電話機を握ると電波の受信状態は悪くなる。しかし、例えば電話機をカバーで覆って使えば、側面を持って通話しても電波障害は起きず、問題は解決するというわけだ。アップルが販売する「バンパー」というケースは、米国では29ドル、日本でも2800円で手に入る。一部のアナリストは「リコールすることを考えれば、バンパーの無料配布で解決するなら安いものだ」と指摘する。
そもそもアップルは、非公式ではあるが以前、電波の受信障害に対してはケースを使って対応してほしいと説明していた。問題は、現在有料で売られているバンパーを無料で配る判断をアップルがするかどうか。ちょっとでもケチって「受信障害が起きる方にはバンパー半額にします」などとしたら、ユーザーは「このうえまだ商売するのか」と怒りが増幅しかねない。
「アイフォーン買ってはいけない」という評価が広く報じられた以上、アップルは一刻も早く対応を急ぐべきだと考えられるが、同社は7月2日に「電波障害はソフトのアップデートで解決する」旨をサイト上で発表して以来、沈黙を守ったままだ。