民主は50議席割れも、一方自民は50議席超か。2010年7月11日夜、参院選の開票状況が次第に明らかになるにつれ、民主と自民の関係者の表情ははっきり明暗が分かれた。
民主党の安住淳選対委員長は開票開始直後、テレビ局のインタビューに対し「菅内閣が発足して1か月で選挙に入った。菅内閣の信任をしてもらうよう、お願いをしながら全国を歩いた」と述べ、今回の選挙戦が国民に菅内閣への信任を問う意味合いがあったとした。劣勢が伝えられた直後とあって、厳しい表情を浮かべていた。「何とか競りあがってもらいたいという選挙区があるので、祈るような思いで開票を見ている」と話した。
解説委員「小沢さんは読み誤った」
一方の自民党。民主を上回り「改選第1党に」との情勢調査も出るなか、勝ち誇ったような余裕のやりとりを見せた関係者もいた。自民党の比例代表で「当選確実」が出た片山さつき氏は21時ごろ、テレビのインタビューを受け「ふりこが左に寄りすぎていたので、バランスを取り戻そうという国民の常識的な判断が働いたのではないか」と、笑みを押し殺すように語った。群馬選挙区で当確が出た中曽根弘文氏は、満面の笑みでバンザイを披露。その後には、山本一太・参院議員らがうれしそうな表情で画面に映っていた。
「選挙ステーション2010」(テレビ朝日系)では、時事通信の田崎史郎解説委員が「2人区で候補2人を擁立するなど、小沢(一郎・前民主党幹事長)さんは、無党派層の動向の読み誤った」と指摘した。
与党が過半数を確保するには56議席が必要だが、連立を組む国民新党も議席確保が微妙な情勢と報じられ、与党の過半数割れは確実視される展開となっている。菅直人首相は、自身に近い議員に首相を続投する意向を伝えた、との報道も出ているが、「衆参ねじれ」現象となり、今後厳しい国会運営を迫られそうだ。民主党内からも続投に異論が出る可能性もある。